昨日は「第76回日本画院展」と「BEST SELECTION 2016」を観に上野へ。公園口の改札を出たら、横断歩道の先に若冲展入場まで140分のプラカードが。2時間は並ぶとか聞いていたから、そうだろうなと思いつつ都美術館へ。スタバ前の広場のイベントに魅力的看板が、「越後の地酒屋台」に一瞬足が向きかけたが我慢。ヘブンアーチストも家族連れなどで盛況だった。
都美館前は、未だかつて見たこともないような人の群れ、大きく何重にも蛇行させた行列だった。こんな時に開催している公募展は、その流れの客で混んでいるかと思ったがそうでもなかった。2時間以上も並んだ末に若冲展を観たら、疲れ切ってついでに公募展を観ようという気にはならないだろう。炎天下で倒れた客もでたそうで、何回か救急車が出動していたとのこと。
日本画院展の入り口で、友人の三浦裕二郎さんにばったり。会の事務局長を仰せつかっているために多忙の様子。
三浦さんの今回の作品は「砂の嵐」。ロサンゼルス郊外のデスバレーをモチーフに描いた150号の大作だった。砂地以外の物、生物は一切入れないで、空に月も太陽もなく、砂だけを描いた。描き出しは暗い夜の砂漠だったが描いていく中で、昼の砂漠になったとのこと。画面は絵具の厚みやマチエールを感じるが、それは夜から昼への時間の経過のように思えた。
松下か津恵さんの「燃ゆる」。
阿部智子さんの「雲隠れ」。
阿部輝郎さんの「メルトダウンの春」。
第76回日本画院展は5月20日(金)まで東京都美術館で開催されています。
「BEST SELECTION 2016」を観て、出口へ。もう17時、これから若冲展に入場する人たちがまだエントランスに並んでいる。外に出たら、まだ長蛇の列。プラカードには「入場まで70分待ち」と。
客の整理をしている若冲展スタッフに「今日は開場時間を延長するの?」と聞くと「特別に延長はしません」。「えー、じゃあ、この並んでいる人たちどうするの?」「いや、成り行きで入場して観てもらいます」。「これから、入場するのに約1時間かって、それから観るのだったら何時まで考えているの?」「30分ぐらいで観てもらいます」。「それは厳しいね。これだけ人気があって、混むのだから時間延長とか何か手を打てないの?」「宮内庁との関係で………………」。「そう、観に来る予定をしているけど、ウィークデイの朝一だったら空いているかな?」「いや、このところ朝が早くなって、椅子を用意し、朝食を食べながら並んでいる人たちもいます」。同じ並ぶなら、朝の方が楽そうだ。
若冲展は会期も1ヶ月と短いから集中しているとも言えるけど、日本人の展覧会でこれだけの集客力があるというのは目から鱗だ。
西洋美術館前のユニークな刈込。背景のスカイツリーとコラボレーション企画か?