2021 汎美秋季展が終了しました。

堀浩哉 多摩美大絵画科名誉教授による講評

急激な新型コロナ感染拡大で、昨年春に国立新美術館が突如閉館になり、それから3回の汎美展を中止にし、開催した今回の2021汎美秋季展でした。感染対策や少人数での展覧会準備や運営など、新しいシステムでの開催となりました。危惧することも多々ありましたが、無事に終えることが出来ました。会員をはじめ、出品者やご来場頂いた多くの皆様のご協力があればこそと、深く感謝申し上げます。開催初日は緊急事態宣言下、4日目に解除され、翌日には台風に見舞われるという変化の激しい状況でした。そんな状況下にも拘わらず多くの皆様にご来場いただき、好評価を頂くことができました。展覧会活動に希望の光が差し込んだようで励みになりました。今後の汎美の活動に色々な可能性をイメージすることが出来るようになりました。

前回に比べ、出品者数が10名近く少なく作品数も減少し、閑散とした会場になるのではと心配していました。しかし、充電期間十分の力作が多く、また作品間もゆったりと取ることができて、結果的に観やすい充実した展示になりました。ぎゅう詰めの公募展が常識になっているせいか、空間恐怖症になっていたのかも?と思い直しました。それぞれの作品を鑑賞しやすい空間に展示する事の重要さを再認識しました。

今回の私の作品は、断片化された光の記憶「荒ぶる大地」「水の驚異」「猛烈な風」「拡がる火」「空(くう)」です。

この作品は、一部の人に利益をもたらすビジネスと化したオリンピックは消滅すべきとの思いからスタートしました。五つの繋がった輪はバラバラになり5枚のキャンバスに、色は五輪のマークから、赤青黒黄緑の5色を決めていました。しかし、鉛筆で円を描いて眺めているうちに、円は地球に見えてきました。オリンピック批判で制作する労力と時間が馬鹿々々しく思えてきて、そこで、テーマを変更しました。

以前からテーマにしてきた、曼荼羅で言う世界を構成する要素「地・風・水・火・空」で描こう。地球温暖化が進み、人々の生活を脅かす様々な自然災害が発生している。人類が地球上で生存していくために必要な様々な条件が、それが消滅しつつあるのではないか?いや、様々に消滅していると思う。そんなことが頭をめぐる中、少しでも地球環境が改善する道が開けることを願い、描きました。空(くう)は、人類が生存するために無くてはならないものが、ブラックホールに吸い込まれ、消滅していく様を描きました。

今年のノーベル物理学賞に決まった真鍋淑郎さんは地球温暖化研究の先駆者で、その研究が今の気象予測を可能にしていると。我々はその研究成果を生かし、将来の地球環境に危機感を抱き、いろいろな問題を解決し、人類が生存可能な地球を次の世代に引き継いでいかなければと思いを新たにしました。

                水の驚異
           荒ぶる大地
                拡がる火
           猛烈な風

空(くう)
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2021 汎美秋季展 開催のお知らせ

2021 汎美秋季展を案内ハガキの通り、9月28日からの会期で開催します。

国立新美術館の突然の閉館のため、2020 汎美展の中止を余儀なくされ、以来、秋季展、そして、2021 汎美展と中止になりました。コロナ渦の中、緊急事態の発出や急激な感染拡大などに翻弄される1年半でした。公共の福祉や感染に対する恐れと表現の自由について、会員間に温度差もあり、議論の末の結果でした。

しかし、今回は作業の簡素化や係わるスタッフの最小化など、感染対策を徹底し、開催する事となりました。多くの会員が待ち望んだ発表の機会であり、久々の展覧会ということで、力作が揃う展示になるのではと期待しています。

搬入直前まで制作におわれ、ご案内も直前になりましたが、今回の作品タイトルは「断片化された光の記憶;荒ぶる大地、水の驚異、猛烈な風、拡がる火、空(くう)」です。S50号×5枚になりました。

作品の構想段階で、金儲けビジネスと化したオリンピックは消滅すべしとの思いが出発点となりました。同時に地球温暖化や想像を絶する数々の自然災害、地震、浸水や土石流、ハリケーン等など、そして、食糧危機。人類の生息に必要な条件を地球が次々と失っていく、欠落していく、そんな思いを強くしながら制作を進める日々でした。

作品写真は「空(くう)」と「拡がる火」です。

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第74回アンデパンダン展 <出品作品>

今回の出品作品「全滅を玉砕という」の写真をアップしました。

キャンバスの両面を使っています。同じ絵柄で大小中の3点を展示しました。イメージが増幅されていく様を表現しています。インスタレーション:アクリル、エッグシェル、糸、針。

片面は藤田嗣治の「アッツ島玉砕」をエプソンのショールームでキャンバス地にプリントアウトしました。国立近代美術館の常設展示の時に作品を撮影し、使用しました。近美の展示作品の下に、オリジナルに手を加えずにご使用ください?とかの注意書きが貼ってありました。1943年、アリューシャン列島・アッツ島の日本軍守備隊2638名は、圧倒的な戦力、火力を持つアメリカ軍の攻撃を受け、全滅しました。大本営はアッツ島全滅をアッツ島玉砕と言い換えて、発表しました。その後、戦死は玉砕と美化されて日本人の心を支配していきました。

もう一面は、色々な歴史、思いを抱えた日の丸、ネガティブな面とポジティブな面を感じながら描きました。日の丸は丸の部分を切り抜いて、糸で縫い合わせました。戦時中、入隊するときに日の丸に武運長久と書き、親しかった人たちに署名をしてもらい、戦地に携えましたが、この作品では「滅私奉公」と書きました。自民党の憲法草案では、基本的人権の抑制機能としての「公共」の福祉を「公」の福祉に変える。国民は自分のためではなく、もっと大事なものに命を懸けるべきと言っている自民党の議員もいます。「滅私奉公」です。

白い台の上に、キャプションと解説文を置きました。

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第74回 アンデパンダン展の展示作業に行ってきました。

会期:2021年3月18日(木)~3月29日(月)(詳細は案内はがき)

会場:国立新美術館 1F(A,B,C,D)

アンデパンダン展の展示作業に、昨日(3月16日)国立新美術館に行ってきました。2年ぶりの展示作業、何か懐かしさを感じました。

今回の作品は、木枠なしのキャンバス地に描いたものを天井からつるす作品です。正確にはエプソンのプリントアウト用キャンバス地に片面はプリントアウトしてます。藤田嗣治のアッツ島玉砕です。

国立新美術館の高さ5mの天井から吊るすのにタワーと言われている台を使います。通常3人ぐらいで使用します。台の上で作業する人、台を移動する人、展示業者にお願いすることが多いと思います。今回はヘルメットを被り、自分で吊るしました。登ると結構高さを感じますが、登って天井に金具をつけ、リールを下げ、絵を掛ける。台を移動し、その作業を繰り返す。一人3役でした。微調整しながら、何度も上り下りし、約2時間、疲れました。

最後は川端(展示業者)さんのスタッフに修正、調整してもらいました。

今日も展示作業に充てられていて、明日18日(木)からオープンです。今回は会場入りをあまり予定していませんが。明日は初日なので、午後は会場入りします。

政府の無策で、感染者が増加傾向になり、さらに変異株が増えているとのこと。ご来場を積極的にお勧めできませんが、宜しくお願いします。

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明けましておめでとうございます。2021 

本年もよろしくお願い致します。

新年を迎え、さらに勢いを増したコロナ。何の対策も講じない政府。感染が終息する展望が見えない新年ですが、頭を切り替え、新たな目標をもって、生きたいものです。

今年は3月の汎美展、6月の汎美ベルギー展、9月の汎美秋季展を是非開催したいと考えています。 コロナ禍に加え、寒暖差が激しかったりと、健康維持には厄介な日常ですが、体調管理に十二分に留意され、ご自愛ください。     

新年早々、和楽器バンドの「大新年会 2021 日本武道館2days」に行ってきました。

コロナ禍の中、開催するかぎりぎりまで迷った末の「大新年会2021 日本武道館2days」コンサート。感染対策を徹底し、声を出さずに時間、空間を共有できる演出など、開催するためにする工夫したと。そういう努力が重要だと思うし、励まされる。

和楽器バンドの曲は、歌詞がチャレンジングで面白い。

(126) 和楽器バンド 大新年会2021 日本武道館2days 「天楽」 – YouTube

#WAGAKKIBAND#天楽#大新年会2021 日本武道館2days

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「現在。そして、これから……展」終了しました。

堀浩哉 千葉成夫 中西祥司
KOSAI HORI
CHIBA CHIGEO
SHOJI NAKANISHI
初日にご来場頂いた堀浩哉氏(多摩美大名誉教授),千葉成夫氏(美術評論家),
中西祥司 (左から)              

コロナ禍にも拘らず、多くの皆様にご来場いただき、ありがとうございました。お陰様で、活気のある、エネルギー溢れる展覧会になったと出品者一同、感謝しております。

今回の展覧会は、現在から将来に向けての自分の取り組みを表していくことをコンセプトにし、来年への期待を抱かせるものにしよう、元気を共有できるものにしようというようなことを考えました。多くの来場者に共感して頂き、開催して良かったと実感することができました。

滅びの兆し 中西祥司
SHOJI NAKANISHI
滅びの兆し

私の出品作「滅びの兆し」は、安倍前首相の唐突な全国学校一斉休校の新型コロナ対策のため、国立新美術館が急遽休館し、中止になった2020 汎美展に出品予定の作品でした。その時のテキストを下記に掲載します。

「滅びの兆し」 連作 No.12~17        2020年3月4日

今、日本、何を目指しているのだろうか?何が行われているのだろうか?

日本の民主主義が壊れかかっている。資本主義の歪みが社会を壊す。多くのことが経済的価値、金銭的利益に変換され、私利私欲、大企業など一部の人々の利益優先になっている。その結果、多くの人々の生活や幸福度が犠牲になっている。

多くの国民が望む社会、普通の生活を維持、平和に暮らしていけることを実現するために、政治はやっているのか?

社会の階層化は益々進み、上下の2極化が進んでいる。経済格差、教育格差、司法格差などなど。原発の問題、辺野古基地建設。日本の民主主義が「滅ぶ兆し」を超えて、「滅び始め」ている。

日本の多くの主要メディアがチェック機能を失い、その実態を国民が知ることが難しい。記録が隠蔽される、改竄される、捨てられる。知らされず、知ることができず、様々なことが表に表れず、水面下で進行している。

日本の今をもっと視、知る必要がある。国民の知性、理性がないがしろにされ、強欲な者たちの利益の追求を図るために、法律が出来、予算が組まれ税金が使われる。社会を構成する重要な役割を担う国民が犠牲になっていると思えてならない。

民主主義が機能不全に陥っている。いろいろな事象が、日本が「滅んでいく兆し」から「滅び始まり」の現象として表れてきている。

また、地球温暖化が原因と考えられる現象が直接的に人々の生活の脅威となってきている。今までに経験したことのない大きな災害、その頻度。プラスチックごみ、原発のリスクの問題。また、食糧や水の問題。それが我々の放漫・豊満な生活の結果であるのであれば、現在、生きている我々が問題を共有し、解決する必要があると思う。

そのような考え、思いが頭を駆け巡る中、制作しました。

5,6年前から続けていることですが、象徴的な日本、象徴的な地球をモチーフに日常的に感じている思いを表現してみました。

今回、制作中に感じていた状況は「滅びの兆し」ではなく、「滅びの始まり」ではないかと思いました。(終)

滅びの兆し 中西祥司
SHOJI NAKANISHI

キャンバスの表裏に描いた作品「滅びの始まり」は、延期になった6月に開催予定だった「汎美ベルギー展」への出品を予定していました。

100枚のドローイング 中西祥司
SHOJI NAKANISHI

ドローイング「魂に飛び込む光たち」は昨年末から100枚のドローイングを制作しようと取り組んだものです。100枚目は12月7日に出来上がりました。オイルパステルなどで白い画用紙や色画用紙に描きました。抽象ですが、かなり具象的なものから心象風景まで、その時々の心の赴くままの展開になりました。100枚の中から、新しいものを中心に50枚展示しました。

100枚のドローイング 中西祥司
SHOJI NAKANISHI

参加作家;小杉和美、中村加代、青染レイコ、中西祥司

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グループ展開催のご案内 2020.12.14~19

激甚化する自然災害や生活を脅かす温暖化、そして、コロナ渦、不透明な政治、あらゆる面で混沌とした状況に思える現在。

そして、未来への夢や希望が抱きづらい……。手に負えない日々が過ぎていく。

私たちが活動の拠点にしている汎美術協会、汎美展(国立新美術館)や汎美ベルギー展、汎美秋季展と、今年予定されていた全ての展覧会が中止、または延期になった。

そんな閉塞状況の一年の終わりに、少しばかりの抵抗を……!

この展覧会を、明日への活力・エネルギーに!(あいさつ文より)

今年は活動停止状態になり、3月の汎美展、6月のベルギー展のための作品が未発表になっています。。そして、ドローイングを3か月ほどで100点ばかり制作しました。未発表の作品とドローイングの中から30点ぐらい展示したいと考えています。壁面を埋め尽くすような展示になるかと思います。

来年への作品展開のステップにしたいと考えています。

コロナ禍の第3波に襲われ、感染が飛躍的なスピードで拡大し、稀有していた状況が現実のものとなってきました。日常活動もままならない日々になってきていますが、感染対策を徹底し、お越しいただければと思います。

「滅びの兆し」 F30

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開催が延期された「汎美ベルギー展」の出品予定作品

滅びの始まり
中西祥司
SHOJI NAKANISHI
「滅びの始まり 1」 表
滅びの始まり
中西祥司
SHOJI NAKANISHI
「滅びの始まり 1」 裏

滅びの始まり
中西祥司
SHOJI NAKANISHI
「滅びの始まり 2」 表
滅びの始まり
中西祥司
SHOJI NAKANISHI
「滅びの始まり 2」 裏

汎美ベルギー展は6月4日から明日20日までの会期で開催予定でした。

このコロナ渦がどうなるか?展覧会開催が中止になり、今後のスケジュールの開催目途も立ちにくい状況が続いています。汎美秋季展(東京都美術館)も開催を目指して準備を進めていますが、開催できるか?はその時の状況次第です。

ベルギー展は延期ということで、来年の同時期に開催を予定しています。

ブリュッセルのギャラリーに展示されている筈の作品を掲載します。

最近の作品は、民主主義がないがしろにされ、憲法や法律さえも順守する姿勢を欠落した政府(自民党、公明党)に日本が壊されていく、壊れていく、その兆しを感じて作品のテーマとしてきました。しかし、昨年からはもう日本は壊れ始めているのではと思っています。

作品のテーマは「滅びの兆し」シリーズが「滅びの始まり」になりました。

今、民主主義が存続できるか?否か?の危機的状況に追い込まれている。検察庁法改正案は民主主義の基本・三権分立を壊す最悪の事態への大きな一歩だ。税金の使い方にも問題がある。国民の暮らしのため予算組みではなく、自分のお友達と大企業やアメリカ企業のためのものになっている。多くの国民が生活苦に陥っている。

自民党と公明党の国民無視の暴挙を理性と知性を持ち合わせた議員に、その流れをその一歩を止めてくれることを願うばかりだ。

*作品は木枠に貼らないキャンバスの表裏。 天地 145×97cm

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2020汎美展 第60回記念展 開催のご案内

今回は1934年の第一回展の開催から60回目になりますが、1933年・昭和8年の設立からは87年になります。戦後から暫く、本展を開催できない時期がありました。
今回は第60回の開催を記念して、汎美術協会設立時から継続されてきた理念、当時の時代状況、美術状況など振り返りながら、汎美の活動の意義を再確認したいと思い、下記の講演会「表現の自由とアンデパンダン」を企画しました。

昨年は愛知トリエンナーレなどで、表現の自由が大きな問題になりました。政府によるテレビや新聞などのメディア支配が美術領域のも及んできたと実感させられました。我々はどのように表現の自由を獲得していくのか、汎美は美術活動をする中で、自由な表現、自由な発表の場をどのように確立していくのか、議論できればと考えています。


また、出品者各自の作品のクオリティを高めて、よりアート作品に、芸術作品にしていくために、今回も堀浩哉氏による作品講評会を開催します。それぞれの作家の到達点、オリジナリティ、個性を尊重し、そこからの成長を促す様な講評をお願いしています。


ギャラリートーク、パフォーマンスなどと企画も盛りだくさんです。それに加え、昨年よりも出品者が10人ほど増え、作品も大型化し、壁を増やすなど、展示委員もいろいろと大変だったようです。
いろいろ多彩な企画で、賑やかな展覧会になることを期待しています。
皆様のご来場、ご高覧をお待ちしております。


3月7日  第60回記念講演会「表現の自由とアンデパンダン」
        演者:千葉成夫(美術評論家)
3月 8日  ギャラリートーク
3月14日  堀浩哉氏による作品講評会
         (多摩美大・絵画科名誉教授)

●会期 2020年3月4日(水)~16日(月)
●会場 国立新美術館 1階1A

*詳細はフライヤーをご覧ください。

6月にベルギー展(ブリュッセル)を開催します。

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WEB.ドローイング展 No.1

ドローイングを紹介します。

色画用紙に主にオイルパステル、オイルクレヨンで描いています。色画用紙の色を変えることで、新たな刺激を受け、新たなイメージが浮かび、色々な引き出しが開かれるようです。今回のドローイングは2019汎美秋季展で、ほぼ無彩色の作品を制作していたためか、色に飢えていて、短期間で描いた作品の一部です。

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