抗菌薬の効かない多剤耐性菌による死者がアメリカで出たことが、つい最近、紹介
されましたが、それからすぐに、ベルギー、ヨーロッパへ、そして、日本でも……。
スーパー耐性菌が一般紙の一面トップを飾る非常に恐ろしい事態になってきました。
数年前から抗菌薬の乱用、不適正な使用によるスーパー耐性菌の発生に警鐘を鳴
らす研究者もいました。
日本細菌学会では「薬剤耐性菌と日本の抗菌薬研究開発についての現状と政府の
役割についての提言」を厚生労働省に提出し、問題提起をしています。
群馬大大学院医学系研究科の池教授によると、アメリカでは、10年前に承認された
ゾシン(PIPC/TAZ)(抗菌力の弱い抗菌薬)の大量投与により、抗菌薬の効かない
耐性菌が増え、院内感染が問題になっている。多剤耐性菌が3割を超えるとパンデミ
ックになる危険性が高くなるとのこと。
7月8日の池先生の講演(メディアセミナー)で聴いたばかりでした。日本の製薬会社
を始め、世界で抗菌薬の開発が「ゼロ」という話を聴き、多剤耐性菌による感染が拡大
したらと考えると医療行政に対する疑問符が大きく浮かんできました。
それが、こんなに早く、日本でも、同様の事態を迎えつつあるとは………。
その池教授の講演内容が JAPAN MEDICINE Monthly 9月号に紹介されている
ので、興味のある方は是非お読みください。
投与量に誤植があります。正しくは以下の通りです。
DRPM 1.5g/日、PIPC /DAZ 18g/日