魂に跳びこむ光たち(断片化された光の記憶) S25号×12枚 キャンバス・アクリル
Lights that jump into the soul (memory of furagmented light)

作品テクスト
魂に跳びこむ光たち(断片化された光の記憶)
昨年のグループ展「現在。そして、これから……展」に出品したドローイング作品の展開として、S25号を10枚出品する予定で制作を進めていました。
私たちは日常的にいろいろなものを見ている、見えている。意識のある無しに拘わらず目に跳び込んでくる光を網膜に映し出し、記憶している。
その光は主に反射光だ。物質に当たって反射された光は、物質により、吸収される光と反射する光は変化する。ものは微妙に反射する光の波長を変える。
同じ一枚の葉でも新芽の色、新緑になり、真夏の緑、紅葉し枯葉にもなる。光の波長を微妙に変化させる。何十年にも渡り、私はそんな光たちを記憶してきた。そんな光たちが、キャンバスに向かった時に呼び戻される。時間も場所もアトランダムに光は呼び戻され、キャンバスに定着されていく。そして、断片化された記憶に残る光たちがキャンバスの上で再構成される。
しかし、10作品目に取り掛かろうとしていた時に、ロシアがウクライナに対して侵略戦争を始めたというニュースが。まさかが現実になって、衝撃的な映像がテレビから流れ出した。この21世紀に。
いま、表現したい、表現しなければと思いが変わった。
ほぼ完成していた作品に新たな思いを描き加えた。
また、「STOP THE WAR! Don’t kill!」と「NO WAR!NO PUTIN!」のスローガンを入れた作品が新たに出来上がった。
これを書いている今、ロシア軍は住宅街に砲撃を加え、市民を無差別に殺戮している。百数十万人という市民が国外に、難民となって
いく。隣の国に侵攻し、殺人を繰り返す、そんなことが許されるわけが無い。
精神に異常をきたしているのではと疑われる独裁者プーチン、第三次世界大戦の悲劇を起こさない、この侵略戦争を止めるため、ロシア国民は大きな役割を負っている。彼を選んだのはロシア国民だ。国民一人一人の力は微々たるものだが、その力の結集こそが必要だと思う。それが、民主主義のルールだ。
日本も似たような状況がある。問題政策を議論もろくにせず強引に進め、日本のリスクを高め、国民生活を疲弊させた安倍晋三を選んだのは国民だ。僕は一票を投じたことは無いが、何があろうと対外的には日本国民として、責任を負うことになるのであろう。政権が暴走することがある。ナチスと同じような独裁政権が民主主義社会でも生まれるリスクがある。
我々は政治家の言動を注視する必要があるし、メディアの責任は非常に大きいと改めて思う。
現在の日本のメジャーメディア、NHKは犯罪的と思うが、正確に情報を国民に知らせる役割を果たしてない。国民は知らないままに独裁政権を樹立させることに手を貸すことになるかも知れない。
改めて、自らの足元を見る。
2022年3月
中西 祥司
