

ご挨拶
汎美術協会は1933年の創立から89年、本展は60回を迎えることになりました。創立前年の1932年、日本は国際連盟を脱退し、軍の政治力が強まり、戦争に向かっていく時代でした。美術界も官展を頂点に、権力機構が整備、強化されていきました。そういう社会・美術状況の中、階層性を廃し、自由な表現と発表の場を創設することを目指し、美術運動を開始しました。会の基本方針はフランスのアンデパンダン展に学びました。作家は平等であるという考えから、汎美展は監査や審査、作品をランク付けする賞もありません。出品が認められた作家は自由な作品を出品することができます。
創立時の名称は「新興独立美術協会」。展覧会名は第6回展(昭和14年)から「汎美術展」、昭和18年には軍から名称変更を要請され「新東亜美術展」と改称しました。戦後は再び「汎美術協会」と改称しました。
創立直後の戦中戦後は勿論のこと、その時々の課題に取り組み、展覧会の開催をはじめ、会の運営に携わった多くの先輩方の熱い思いと努力があればこそ、この60回記念展があると考えています。
繰り返されるコロナ禍で、展覧会が開催できなかったり、イベントやパフォーマンスなどなど、いろいろな企画が制限・中止される状況ですが、実施できる企画は実施することとしました。
汎美展60回記念講演会・パネルディスカッションとして「表現の自由とアンデパンダン」を開催します。演者は美術評論家の千葉成夫氏にお願いしました。パネルディスカッションには堀浩哉多摩美術大学絵画科名誉教授にも参加してもらいます。
堀浩哉氏よる講評会を実施します。一般に公開しますので、皆様に参加していただければ、幸いです。
これからも汎美術協会の活動の活性化と継続に取り組み、変貌する美術に乗り遅くれることなく、斬新でユニークな汎美展になるように会員一同頑張るとともに次の世代に引き継いでいきたいと考えています。
<汎美展> 会期:2022年3月9日(水10;00-18;00)(入場は30分前まで)
3月15日は休館/最終日の21日は15;00まで
会場:国立新美術館 展示室1A 1階
●第60回記念 講演会「表現の自由とアンデパンダン」
3月12日(土)14:00~16:00(会場13:45) 入場無料
総合司会 中西祥司(汎美術協会代表)
第一部 基調講演 千葉成夫氏
第2部 パネルディスカッション 千葉成夫氏×堀浩哉氏×木虎和生(汎美会員)×中西祥司
★参加申し込み方法 事務局jimukyoku@hanbi.jp に氏名を明記の上、「講演会参加希望」お知らせください。ださい。
●講評会(堀浩哉氏による出品作講評)
3月19日(土)14:00~16:15 (13:45から 整理券配布)
両イベント共に先着順です。
以上 よろしくお願いします。