お礼のご挨拶が大変遅くなり、申し訳ございませんでした。汎美術協会の総会準備と疲れのせいか、集中力を欠いていました。
今回の汎美展、見違えるように作品が良くなった、エネルギッシュになった、面白いなど好評価を頂きました。色々と新しい試みを実施してきましたが、その相乗効果と作品のサイズを30号以上で合計60号以上と出品規定の変更が良かったようです。
今回の私の作品は「滅びの兆し」というタイトルです。
現在引き起こされている様々な事象や状況に惑わされることなく、哲学的・思想的・根源的なコンセプトの基、本質に迫るような表現をしてみたいと常日頃考えています。しかし、今回も見え、聞こえてくる事象が、日本が大事にしてきた価値観、制度が壊れ、民主主義が侵され、人の心が踏みにじられ、日本が滅んでいくと思えてならない。いま、表象に表れてきているものは、日本が滅んでいく「兆し」ではないか。そのような思いが強くなり、逃れられなくなり、今回の作品になりました。
見えてくるものの表ばかり、見えない、知らされない、隠され、改竄される記録。客観的データが脚色される。その裏で何が起こっているのか?何がなされようとしているのか?われわれはどこに連れていかれようとしているのか?を想像し、真実は何か?考えることが必要ではないか。もう繕うことが出来ないくらいに傷つき綻びが生じてしまっているのではないか、と思えてなりません。
「現在の状況・時代」に描かされてしまっているのかも知れない。
滅びの兆し 1. キャンバス/アクリル、エッグシェル 217×145㎝
滅びの兆し 2. キャンバス/アクリル、エッグシェル 170×112㎝
滅びの兆し 3. キャンバス/アクリル、エッグシェル 106×72㎝
滅びの兆し 4. キャンバス/アクリル、エッグシェル 72×42㎝