友人の事務局長・三浦裕二郎さんを訪ねて、会場の都美術館に行きました。油やアクリルの会場は光が空間を舞っている感じがするが、今回、改めて日本画の会場は光が壁面に吸い込まれていくような空間に感じられた。自分の作品では、光が吸い込まれるような空間を描きたいと思っているので、三浦さんに日本画の岩絵具などについて聞いてみた。岩絵具を使うのは難しいが、最近はチュウブ入りの水で溶ける絵具があるというので、早速、ウエマツに買いに行った。秋の展覧会には、作品に取り入れてみたいと思う。三浦さんの今回のモチーフは昨年と同様、デスバレー。生物は一切描き入れることはせず、砂と岩だけで2双の屏風を構成したとのこと。ほぼ同系色の彩度と明度の差で描き切るということは、かなり難しい作業だ。タイトルは「Silent Desart Ⅰ」と「Silent Desart Ⅱ」。恐怖感が漂う異様な空間を醸し出している。友人のカメラマンがサハラ砂漠の撮影に行った時に、まさにSilentで、聞こえた音は自分の心臓の鼓動だけだったと言っていた。
その他の気になった作品を紹介します。鹿志村 皐の「残響」です。深みのある紅い風景の中に存在感を示す車の青、その対比に美しさとダイナミズムを感じました。
手塚 俊尚さんの「朝の街」です。
近本 祐紀子さんの「大樹の夢」です。
今村 孔久さんの「誕生」です。
渡邊 美子さんの「赤い花」です。
長野 あやみさんの「みな傷つけられ、最後は殺される」です。
野村 栄一さんの「樹根」です。
高橋 淑子さんの「若葉の頃」です。
竹政 節子さんの「楽土」です。
竹内 雅之さんの「凛然」です。
高田 俊一さんの「曙紅透林」です。
中川 千代子さんの「初秋」です。
矢野 亜子さんの「散歩が好き」です。
高橋 雍子さんの「雪の止む間」です。