ここ数日は空気が澄んでいて、昼間はまだ冠雪している富士山が見えるし、今夜は多摩川の先、武蔵小杉の高層マンションの灯りが光り輝いて見えます。
空気を意識すると、反射的に放射能が頭に浮かんでしまいます。
朝日新聞が昨日と今日の朝刊で故吉田所長の政府調書を取り上げ、事故当時の事実経過を明らかにし、再稼働に至る検証と対策の不完全さを追求しています。その中で記者が指摘するように、過酷事故が起きた時に誰が危険を冒し、事故処理にあたるのか?それを、一民間企業に過ぎない電力会社と地元自治体に委ねることで良いのか?そんな最も基本的なことに不安を残して、私も再稼働はありえないと思う。
業界先輩の吉本光一さん(元朝日新聞科学部記者)が40数年前、今回の福島第一原発メルトダウン事故のような「重大事故」は仮想の物語ではなく、それに備えない限り原発の安全性は保障されないと問題提起しました。そして、朝日ジャーナルなどに、「原子力利用の安全性に関して」問題点を具体的に指摘する論文を書いたそうです。文芸春秋に掲載された吉本さんの手記によれば、「(原発の安全性に)目を向けるのは君の勝手だが、社の編集方針に反する記事を書くことは、編集権の侵害になる。君が原子力について書くことは、編集権を委任されている私が許さない」というようなことがあって、北海道支局に左遷された。当時の朝日新聞は「国益の観点から、政府の原子力政策を支持するというのがわが社の編集方針だ」と。
事実を追求する記者の役割がいかに大切か。また、我々がその事実を知ることの重要性が、改めて認識されます。
日本画院展ですが、知人の三浦裕二郎さんからご案内をいただき、都美館まで行ってきました。今回は100号を2点出品していました。
静韻 M100号
美しい花を紹介します。
高山喜美枝さんの「ノウゼンカズラ」です。