お忙しい中、ご来場、ご高覧頂きましてありがとうございました。
今年は、若い一般の出品者が増加し、大きな作品も増えました。例年に増して、活気のある展覧会になりました。ご来場の皆様方から、バライティに富む多様な作品が展示されていて、面白いとか、ユニークとか、いろいろご評価を頂きました。
また最近、日展を頂点とする美術界のヒエラルキー、権威主義、審査制度の金権体質など、マスメディアに取り上げられました。美術界が抱える構造的な問題が白日の下に曝されつつあります。そういう状況でもあり、汎美展の審査も賞もない会員みな平等という運営方針に賛同され、評価して下さる美術家もいらっしゃいました。
さて、今回の私の作品です。「記憶されない記録 0(ゼロ), X, Y, Z」は、特定秘密保護法の成立により、知ることのできない記録が増加していくことになります。我々は記録を自分たちの記憶として蓄積することが出来ません。その結果、我々は自分の座標軸、判断基準を見失い、自分の考え、様々な場面における判断を誤る可能性があります。そんなことを考えながら、作品制作にあたりました。
「記憶されない記録 0」
「記憶されない記録 X」
「記憶されない記録 Y」
「記憶されない記録 Z」
※この項すべて Photo by Akira Otaka