汎美・先輩の吉田敦彦さんから案内はがきを頂いて、9月26日(月)まで国立新美術館で開催されている行動展を観てきました。会場で汎美会前事務局長の大辻さんとバッタリ出会い、100号を超える大きな作品が揃っているので迫力があるなど、しばし立ち話。
展覧会全体としてはアブストラクトの作品が多く、さらにマチエールにアイディアあふれる作品が多々ありました。もう長年それぞれのマチエールを追求されてきているのだと思いますが、私にとっては、初めて出会う作品だったりするので、新鮮に感じられました。
中川義秋さん「つぶれた缶1~3号機」のベースは凹凸の激しいモルタル壁という感じ。その凹凸を強調するために、陰になる部分に濃いグレーを加えてありました。
岩崎 純さん「重い花」は、本当に重そうで、マチエールというよりはレリーフのような立体感でした。
豊島淳子さん「堰(せき)」は、組み合わされた支持体の板が堰なのだろうか。黒のベースに描かれた用水のイメージのパターンと色彩が気持ちよかった。
石田泰道さん「刻影」は、意図的なしわを加えて和紙?を不定形な形の支持体に貼っている。
上田貞子さん「PAPER’S.ESSAY IN 2011」の手法は良くわかりません。しかし、繋ぎ合わされた針金的な金属が錆びたような微妙な色調の階層を作り、白い和紙にも滲みを生じている様は美しい。
岡村知子さん「国東Ⅱ」は、昔懐かしい日本家屋の藁を練り込んだ土壁のようなマチエールを作っている。しかし、藁はコラージュのように使われ、表現上の重要な要素になっている。
江原三千代さん「再生記Ⅰ」は、離れてみているとアクリルか油という感じだったが、近づいてビックリした。いろいろな素材を用いたコラージュであり、その素材自体の素材感でマチエールを作っている。自由奔放な素材選択にはダイナミズムを感じました。
柳田順子さん「KIZUNA」は、モノトーンの大胆な構成の中、白が強烈なインパクトで飛び込んできました。分かり易い印象的な作品でした。
守末利宏さん「記憶のありか」は、素直に共感しました。白で描かれた背景が美しいし、白だからこそ、現実を超えて、過去に遡れるのだと感じました。
いろいろと刺激をいただきました。有難うございました。